私の事しか語れない。

日々の彼是。脳内垂れ流し。

新しい扉を開けるように。

最初にピアスを開けたのは、もう20年も前のことで、高校を卒業して、割とすぐに、地元の美容整形クリニックに行き、ピアッサーで開けてもらった。

誕生石のガーネットが入ったファーストピアスは、今思えば、福耳気味な私の耳朶には短すぎたのかもしれないし、不衛生にし過ぎたせいか、割とすぐに閉じてしまった。

しばらくは、ノンホールピアスで誤魔化していたけれど、やはりピアスの方が好きなので、またピアスを開けることにした。

その時には上京していたのと、前回の反省を踏まえて、皮膚科で開けてもらうことにした。

またピアッサーでガシャンとやってもらった。その時は、多分、アクアマリンを選んだ気がする。その時に入れたピアスは割と長めだったからか、そこから閉じることなく、安定した状態で、10年以上は経過している。

もう一つ穴を開けたいと考えるようになったのは、安いピアスを沢山買うようになってから。さらに、大き目のフープピアスを好んでつけるようになってから、以前買っていた小さいピアスの使用率が格段に下がってからだ。

アラサーになってから、穴を増やすのはどうなんだと思いつつ、それはそれでファンキーで良い気もした。そもそも、人の耳なんて、そんなに注視しないだろう。

一度、夫にも相談したら、やめておけと言われてしまい、しばらく開けたい気持ちに蓋をしていたけれど、数年後に、もう一度聞くと、別にいいんじゃないかと言われた。

アラフォーになったことだし、やりたいことはやっておこうと、ネットの買い物かごにピアッサーを入れて1年以上経過した。自分でやるのはやはり怖い。

でも、病院に行くのは少し恥ずかしいし、そもそもそんな病院が近くにあるのか分からない。

検索すると、最初は都市部にしか見つからなかったけれど、検索条件に地元の地名を入れるとあっさりと見つかった。

料金もそこまで高くないし、ちゃんとHPに項目として記載されているのだから、行って疎まれることもないだろうと、そこに決めて、電話をした。

HPを見て、行く時間の見当をつけていたのだけれど、ピアスホールの処置は、診療時間外にしかしてくれないと言われた。なら、そこまでHPに書いとけや、と思ったけれど、平日の会社帰りに行くなら、時間が遅めの方がありがたい。

未成年の場合は保護者同伴とされているためか、年齢を確認され、38ですと言うのが、少し恥ずかしかった。

一番早い日を予約し、注意事項を聞いて、電話を切った。あとは、当日までにピアスを選ばなければ。

今までは、ピアッサーを使っての施術だったので、病院でピアスを選べばよかったけれど、今度行く病院では、ピアスを持参しなければならない。多分、ニードルで開けるタイプなのだと思う。

ファーストピアスなので、太くて長い物がいいのだけれど、検索しても、なかなか良い物が見つからない。家を探すと、最初に開けた時のファーストピアスが見つかったけれど、やっぱり短い。2回目に開けた時のものがちょうどよさそうだけれど、一つ失くしたようで、片方しかなかった。

よくよく考えたら、市販のピアッサーには、太くて長いピアスが装着されているんだから、それを取り出せばいいのでは?と思いつき、ピアッサーを買うことにした。

思いついた時は、私って超頭いいな!と調子に乗ったけれど、調べてみると同じことを考えた人は沢山いた。そりゃそうか。

今回は、推しの誕生石を選んだ。私の誕生日としても守護石らしいので、ちょうどいい。

けれど、何も考えずにネット通販してしまったので、施術日に間に合うか怪しい。

間に合えばそれを使うということにした。

買ったサイトからの発送連絡を受けて、荷物追跡を何度もして、間に合うのか間に合わないのか、やきもきしていた。発送されてから丸一日以上経って、ようやく最寄りの配送センターに着いているのがわかった。配達予定は予約した当日。ポスト投函されるはずなので、それを家に取りに行ってから病院に行き、待ってる間にピアスを取り出すことにした。すべて上手く行ってくれればいいが。

当日の夕方、また荷物追跡を検索すると、配達済みの表示が出た。よし、家には届いている。

あとは、ピアスを取り出して、時間通りに病院に行けばいい。

いつも通り、定時に仕事を上がり、一旦家に行き、ポストを確認すると、ちゃんと投函されていた。急いで封を開けて、ピアッサーを取り出し、空打ちしてみると簡単にピアスが取り出せた。ゲージのサイズを勘違いしていたようで、思っていたよりも細いけれど、望んだ長さだったので、それを持って病院へ向かった。施術してくれる病院は、家から来るまで15分ぐらいの距離ではあるけれど、普段動き回っている地域ではないので、場所が全然わからない。ナビを入れて、その通りに進むけれど、知らない道を運転するのは少し怖かった。

それでも、時間通りに病院に到着することが出来た。

その整形外科は、思っていたよりも大きく、まだ患者さんも数人いた。

受付で予約を確認すると、まだ診察中なので、待つように言われた。

先に受付にピアスを預け、お手洗いで鏡を見ながら開けてもらいたい所にマークを付けて、会計を済ませてから、数分待合室で待つと、施術室に呼ばれた。

看護師さんに諸注意を受けると、すぐに先生が来てくれた。

今までピアッサーで開けてもらうときは、座った状態で施術してもらったので、今回もそのつもりでいたら、簡易ベッドに横にならされた。

さらにすぐに耳朶に麻酔を打たれたので、開けられた感覚は全くなかった。

何かされてるなと思っているなと思っている間に、ピアスを嵌められていた。

反対側も同じように麻酔をされて、あっという間に終わってしまった。

最後に鏡で確認すると、正面からは、少し見えにくいぐらいだった。

2つ目の穴としては悪くないと思う。このまま1か月、穴が安定するまで我慢して、今まで持て余していた小さいピアスを色々つけて楽しもうと思う。