私の事しか語れない。

日々の彼是。脳内垂れ流し。

開かれるのを見た私的雑感。

オリンピックに開催には、懐疑的だった。どう考えても、不安を感じずに開催できるとは思えなかったし、色々と不穏な話題に事欠かなく、純粋に楽しめるとは思えなかった。

開会式の始まる時間、私は一人でリビングのテレビを見ていた。

夫は会社の同僚とキャンプに出かけたので、およそ2年ぶりの一人の夜だった。

その日の昼間は、いつも通る高速を初めて一人で運転したし、夕方には一人で玄関の頭上に出来た蜂の巣を駆除することに成功していた。

一人で観ていて、良かったと思う。

開会式のオープニングVTRは、悪くなかった。率直に言えば、良かった。

直前に辞任した音楽家の曲を使えず、4日前に作り直しが完成したという話をネットで後から見たけれど、それが本当なら、余計に素晴らしい出来だったと言わざるを得ない。

オープニングアクションのコンテンポラリーは、分かりやすいけれど、どこか簡素で、間に合わせた感が強かった。

時系列があやふやだから、印象に残ったことを羅列していくが、ミュンヘンオリンピックテロの追悼としてのダンスを森山未來を踊ったことに対しては、声が出るほど驚いて、思わず「いだてん、キタ!」と叫んでしまった。

その後の真矢みき登場には、ちょっと意味を受け取れなかったし、座頭市オマージュパフォーマンスは悪くないけれど、二番煎じ感がすごかった。

木遣り唄と火消しが素敵だったから、もっと活かしたパフォーマンスになれば良かったのに。

多様なダンサーが登場した時に、AYAさんか、BANBIさんぽい人がいるなと思ったら、MIKIKO先生繋がりのダンサーさんだった。

選手入場前のVTRも良かったけれど、入場前の口上を子供がやっているのが、運動会ぽくて気持ち悪かった。

そして、ドラクエの音楽に思わず声を上げた。「ドラクエかい!」ゲーム音楽リスペクトというより、ドラマ「カルテット」の中で客寄せの意味で弾いていた方を思い出した。その後に流れたゲーム音楽の中で分かるのはモンハンぐらいだった。

各国の選手の衣装を観るのが、とても楽しかった。どこの国も趣向を凝らしていて、本当に素敵だった。日本も前回大会と色の上下を変えて揃えているのが良かったと思う。

入場後の、IOC東京オリンピック委員会の挨拶の場面で、おじいちゃん二人じゃなくて、心底良かったなと思ってしまった。色々あっての交代で、今の橋本さんになったけれど、諸々の事情は置いておいて、絵面的におじいちゃん二人よりも女性が入る方が印象がいいなと思った。

突然のEテレ感あふれるTVクルーキャラクターに関しては、必要性を感じなかったし、アナウンサー役がなだぎたけしさんだったことに、最後まで気付かなかった。

ピクトグラムのパフォーマンスは、端的に面白かった。なんか、これ知ってるな、と思ったら仮装大賞で、まさか中の人ががーまるちょばさんだとは、思わなかった。

でも、さすがのクオリティ。

聖火入場前のVTRで、急に劇団ひとりが出てきた時は、なんで?と思ったけれど、コメディアンとして、最高の顔芸だったと思う。

各会場が、点灯していく様子のVTRはとても綺麗で、リオの閉会式を思い出すなと思ったら、同じクリエイターさんだったのね。

 市川海老蔵さんの登場には、それほど驚かなかったけれど、成田屋の睨みが、無病息災を意味していると後から知ったので、解説で言って欲しかった。

ジャズピアニストの方の演奏はトリッキーで面白かったから、市川海老蔵が音楽に合わせてパフォーマンスすればいいのに、なんか、色々嚙み合わないというか、ちぐはぐというか、継ぎ接ぎな感じ。

聖火リレーの様子を繋げたVTRには感動した。普通の人が嬉しそうにトーチを掲げている姿に、オリンピックを楽しみにしている人が沢山いるんだなと思えた。

会場での聖火リレーで、医療従事者が登場したのは、コロナ禍の強行の証だと思った。

前後するけど、オリンピックの旗を運んだ時にエッセンシャルワーカーを入れたのも同義だよね。

ついでに言うと、国旗掲揚の時も、オリンピックの旗を掲揚する時も、自衛隊がやっているのが、私にとっては、ものすごい違和感だったんだけど、これは、前回大会もそうだったんだろうか。他の国でも、軍が行うのが通例なのかな?キビキビとした動きが、軍国主義ぽさが強調されて、好きじゃなかったな。もっとワイワイやってもいいものだと思ってた。

聖火リレーの最終走者が大坂なおみさんだったことには、何も文句はないんだけど、色んな場面で、象徴のように扱われるな、とは思った。あと、数日前に来日後初の公開練習の様子をニュースでみて、気合入った髪型してるなとーと思ったから、なんであの髪型にしたのか、納得できた。

開会式の印象は、概ね悪くなかった。ただ、統一性がなく、コンセプトを感じられない。系統の違うバラエティ番組を続けざまに見たような印象。

MIKIKO先生だったら、色んなパフォーマンスを一つの世界観を崩すことなく見せてくれたんだろうな、と思ってしまう。

そして、私は椎名林檎さんのファンなので、彼女が作曲した曲をバックに選手が入場する姿を見たかった。

 

自分が生きてる中で、自国開催は、冬季入れても2度目で、夏季は最初で最後かもしれないと思ったから、初めて開会式を最初から最後まで見た。(途中早送りはしたけど)

開催が決定した時から、色んなことが心配されてて、本当にやるの?できるの?という気持ちもあった。それでも、国立競技場が出来たり、チケットが販売される頃には、すっかり観に行きたい気持ちでいっぱいで、どうせ関東に住んでるんだから、少しでもオリンピックを楽しみたいと思ってた。

けど、そんなこと言っていられない状況が続き、とうとう延期され、結局、無観客での開催になった。

なんの為の大会なのか、誰のために開催するのか、私には分からないけれど、色々な問題をなぎ倒しての強行突破のような開催で、なし崩し的に参加するアスリートに感動を与えることを強要した、オリンピック委員会や都の関係者、政府関係者には、これから起こることから目をそらすことなく、考え続けてほしい。もちろん私もこの国で生活する人間の一人として、何かを背負ってしまったのだと思う。

願わくば、始まってしまったこの大会が一人の死傷者を出すことなく、無事に終えられることを祈るばかり。