何でもない日に乾杯したい。
映画を観てきた。夫に内緒で映画を観に行くのは、何度目だろう。
こちらに越してきてからは3度目。
車で15分もかからない場所に映画館があるなんて、とても幸せ。
気になっていたけど、観るか迷っていたら、ちょうど、夫だけ仕事に行く日があったので、その隙に観に行った。
『花束みたいな恋をした』が、気になっていたのは、脚本が坂本裕二さんだからだ。
推しが出演していたドラマ『カルテット』は最高に面白かった。
箇条書きのような、会話劇のような、日々の流れを淡々と描いているだけなのに、心が揺さぶられ、痛みを感じた。
それは、私がアラフォーの既婚者で、主人公達が過ごしたような日々に似たような、それには遠く及ばないような、あんまり思い出したくない日々を過ごしたことがあるからで、同じスクリーンにいた、10代の女の子や、20代のカップルは、また全然違う感想を持つのだろう。
詳しい感想をとても上手には書けそうにないので、浮かんでくるままに箇条書きにしてみようと思う。
翌々日に読んだ『違国日記』の7巻もなんだかタイムリーな内容だったので、大いに引きずられてしまった。
同じ言葉を話す相手と出会うのは難しい?
語彙力に惚れる。
言葉は響くのではなく染み込む。
同じものに惹かれるのは、同じ穴を持っているから?
モラトリアムの原罪
楽しむにはお金が必要
仕送りと長岡弁
社会に出ると途端にホモソーシャルの輪の中に沈められる
生きる場所が変わると、話す言葉が変わる?
やりたくない競争は、チキンレース
どこまで行けばいいのか分からない
さわやかの待ち時間
文庫を持ち歩くタイプ
5年の辛抱
「人生って、責任だよ。」 「へー、大変そうっすね。」
結婚なら、家族なら
今日、楽しかったから
終わりにするなら、こんな日だよねって、なんだっけ?
京王線沿線
これから伸びると思う
浮気するのは彼女の方
ステレオとモノラル
昼ビールという悪行
理解するための語彙力
【追記】
漫画家さんの考察を読んで、この文章がとても恥ずかしくなってしまいました。
まんまと映画の術中に嵌り、鏡に映った画を観ているとは思っていなかった。
それはそれで楽しかったので、面白い映画を観たなという気持ちは変わらないけれど、
私の感想は私の中にあるものを映画を通して観たということだなということは間違いない。
あと、終わりにするならこんな日だって言うセリフは、三月のライオンであかりおねいちゃんが、父親と決別した時の言葉だった。
フィクションの台詞は染みる。