私の事しか語れない。

日々の彼是。脳内垂れ流し。

言葉にならない夢の叶い方。

公演情報が出たのが、去年の夏ぐらいで、ダメ元で抽選申し込んだチケットの当選のお知らせが来たのが秋ぐらい。

本当に観に行けるか、不安だったけれど、夫の理解と協力のうえ、観に行くことが出来ました。

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私が推しを好きになった時期は、ちょうど舞台のお仕事と離れていらした時期でした。いつか、また舞台に立つことがあれば、是非とも観に行きたいと思っていたところで、この公演の情報はまさに吉報。

推しを好きになってから、夢想していたことを次々と現実にしてくれる推しに感謝しかない。CM出てほしいとか、ドラマや映画の主演つとめてほしいとか、CD出してほしいとか、SNSやってほしいとか、ラジオ出てほしいとか、本当に次々叶えてくれる。

推しに関するあらゆるチケットでだいたい泣きを見てきたので、ダメ元かつヤケクソで、平日公演のチケットを申し込んだのが、功を奏して、ありがたいことにチケット当選。しかも、前方列の確約です。この時点では、どの辺の席になるか、わかりませんでしたが、とにかく行ければ何でもよいと思ってました。

チケットを申し込んだ時は、まだ関東にいましたが、公演が始まる頃には中部地方へ引っ越していることは、わかっていたので、遠征になることは確実でした。

しかも、よくよく調べてみると、『天保十二年のシェイクスピア』は、上演時間4時間近い大作。夕方からの開演でも、帰りの新幹線に間に合うかどうか、微妙なところ。

最悪、1泊してしまえばいいと思いましたが、公演が木曜で、3連休があるので、2日休むとなると、自動的に5連休することになってしまう。それは、さすがにどうなんだ、と思いつつ、明確な予定を立てないまま過ごしていました。

一応、夫には年が明けてから2月の平日に東京に行きたいこと、夕方の公演なので、最悪泊まりになるかもしれないことは、伝えておきました。あんまり覚えててくれなかったけど。

さて、とくに行動予定や移動手段などをきちんと決めないまま、あっという間に2月になり、チケットの発券ができる時期になりました。

ドキドキしながら、コンビニに発券しに行き、席を確認すると、なんと前から3列目。

マジか。神様ありがとう。

会場である日生劇場には行ったことがないので、どれだけ舞台と客席の距離があるかわかりませんが、さすがに3列目で顔も判別できないということはないだろう。

自分の幸運を喜びつつ、大事にチケットをカバンにしまいました。

公演の開始時間は17時。上演予定時間が4時間だとしても、21時には終了する。新幹線の終電は22時。夫に相談すると、新幹線の最寄に迎えに来てくれるという。

帰りの心配がなくなったので、安心して、有休届を出し、事務の相方によろしく伝えて帰宅し、改めてチケットを確認すると、開演が18時でした。

自分にガッカリする。ネタバレを恐れてあんまり見てなかった公式HPには、親切にもしっかりと公演時間の予定がのっていた。

18時開演の場合の公演終了予定時間は21時35分。アプリの乗換案内を確認すると、終電に間に合うためには、21時35分に会場を出なければならない。

あまり舞台を観に行かないので、21時35分が、芝居が終わる時間なのか、客出しを終える時間なのか、わからない。もし、芝居が終わる時間だとしたら、カーテンコールが始まる前か、途中で会場を出なければいけないことになる。

3列目なのに?遠征なのに?せっかくの生推しなのに?

夫にも相談し、グダグダ考えたあげた挙句、当日の朝に、最悪、ネカフェかスパ銭に泊まろうと決め、それぞれの場所も確認した。

帰れるか、帰れないか、それが問題だ。

当日、行の新幹線のチケットも取っていないどころか、家を出る時間すら決めていなかった。今日中に帰ってこられるか、こられないかで、準備も違う。

とりあえず、翌日の夫の出勤に支障がないように準備をして、家を出た。

JR西日本エクスプレス予約はとても便利だけど、とっととSuicaを全国で使えるようにして、エクスプレスカード抜きで入場できるようにしてほしい。

新幹線の中で昼食をすませ、開場の2時間近くまえに最寄の駅に到着した。1時間ほど銀座をうろつき、替えの下着ぐらい買おうかとユニクロなども行ったけれど、買うには至らなかった。銀座に来るのは数か月ぶりで、関東に住んでいた頃と頻度は変わらないはずなのに、行き交う人たちが妙に洗練されて見えるのは地方民コンプレックスだろうか。歩くのに疲れたので、劇場のそばでお茶でもしようと、劇場の前に来ると、昼公演を見終えたらしい人が出てきていた。表に出された上演予定時間を見ると、終演時間ぴったり。早めに出てきたという感じではなく、全部見終えて出てきてるようだった。

これは、今日中に帰れるのでは?とりあえず、夫に帰れるかもしれな、と一報を入れて、カフェで開場を待った。

17時に開場したけれど、入れるのはロビーだけ。パンフレットとグッズを買って、しばし待機。しかし、アラフォーの俳優さんを好きになって、まさか公式のアクリルキーホルダーを作ってもらえるなんて、夢にも思わなかった。

https://www.instagram.com/p/B8yoN7bDmG-/ 【フルカラーの重厚なパンフとアクキー】

客層は、ほぼ女性。客席が開かれると同時にお手洗いは長蛇の列となりました。

お手洗いをすませ、席に着くと、予想以上に近い。ただ、端の方なので、スピーカーがめちゃくちゃ近いのと、真ん中へんを見るときの角度がキツイのが気になりました。

とはいえ、近いことに違いありません。それでも、最前列に座る人たちを見ながら、どんだけ徳を積めば、そこに座れるのだろうと思わずにいられませんでした。

以下、ネタバレ含む。

 いよいよ上演開始。前口上が始まり、役者さんが出てくると、オペラグラスなんて全く必要ないぐらい、しっかりと顔を見ることが出来ました。

ただ、むしろ近すぎて舞台装置の全体を見づらかったです。

また、舞台装置がアイデア満載という感じでなんども移動したり、組み合わせ方を変えたりして動かすのが、面白かったです。舞台が何層にも広がってるようで、観ていて楽しかった。

序盤、推しである高橋一生さん演じる、佐渡の三世次が登場。圧倒的な存在感。

最初のソロ曲は、なんていうか、一生さんが好きそうな感じ。浪々と歌い上げる声は、昨年発売されたCDの歌声とは、また違う。すごく声が伸びてて、ゾクッとしました。

井上ひさしさん脚本や、シェイクスピアオマージュ作品は初めてなので、演出なのか、脚本なのか、シェイクスピアのお約束なのか知らないけど、とにかく説明が多い。

要素が多い、役が多い。色々と過多なはずなのに、軽快な音楽と、斬新な演出で、全然疲れない。シェイクスピアを知らなくても楽しめるし、知っていたら、より面白い。

また、役者さんが全員上手なので、安心して見ていられる。女性陣の歌声は響きがすごくて歌詞がわかりづらかったけど、メロディで雰囲気はわかるし、声が綺麗だった。

流してる感じはないのに、間が絶妙で、早いのに見逃すこともない。セリフが多い分、早口になりがちだけど、しっかりと聞き取れる。いや、技術的なこと言うのは、むしろ失礼なぐらい、プロのお仕事を見せつけられた。

一生さんも、とても楽しそうで、舞台を縦に横に使い尽くし、観ていてワクワクした。

また、表情がすごくて、映像で見るのとは、また違う。舞台だからこそ、見せてくれる顔なのかもしれない、と思いました。

若手のミュージカル王子こと、浦井さんも客席から、派手に登場し、その歌声とキレキレのダンスと表現力をこれでもかというほど見せてくれました。

やっぱり舞台はすごいなぁと思っているところで一幕が終わり。二幕目が始まって、しばらく立つと、佐渡の三世次が舞台を降りて客席にくるという演出。それが、ちょうど、自分の後ろの席との間の広めの場所に来たのです。何これ、やばい!近い!もっとこっち来ないかな、と思いながらも舞台の方を気にしていると、ふと気配を感じました。ふと横をみると、鼻先数センチに推しの顔!え!やばい!どうすればいいの?これ、ガン見していいの?役のまま舞台を見つめる推しを見つつ、でも、こんな近距離で見続けるのも恥ずかしいし、舞台観てないと思われるのも恥ずかしくて、あまり長く見つめていられませんでした。三世次は、そのまま、後ろの席の人の膝にしばらく座ったあとに、舞台の上に戻っていきましたが、もっとガン見しておけばよかった・・・。

こんなに近づけることは、もう二度とないだろうに・・・。

それでも、最高の出来事でした。全宇宙に感謝します。間近で見ても、推しの顔はポスターのように綺麗だったし、驚くほどテレビのまんまで目が大きかったです。特殊メイクを精巧に施されているのも、よく分かりました。

これ以上ない僥倖を反芻しつつ、舞台に意識を戻すと、そこからは、怒涛のように人が死ぬ。シェイクスピアといえば、登場人物死にすぎでお馴染みではあるけれど、それにしても、死ぬな、と思っていたら、全員死んだので、ちょっと笑いそうになった。

クライマックスの三世次の絶望が、ものすごい迫力で、凄まじかったです。

大団円と真逆なのに、なんだか達成感のようなものを感じました。

2度のカーテンコールもしっかりと観て、スタンディングオベーション出来て、嬉しかったです。

時計を見ると、21時35分。オンタイムで進行してくれた皆様に感謝しながら、会場を後にし、久しぶりに全力疾走して、新幹線の終電に間に合うことが出来ました。

遠征組のことも考えたうえでの終了時間だったのかもしれません。

地元に着くころには日付は変わっていましたが、迎えに来てくれた夫のおかげで、家の布団で眠ることが出来ました。

本当に、すべての人に感謝の気持ちでいっぱいです。

残念ながら、1公演分しかチケットを持っていないので、あとはDVDを予約して、思い出を何度も見返したいと思います。

生で推しの出演する舞台を見ることが夢で、チケットが当選した時点で叶ってたのに、さらに良い席で見られたことが、最高に幸運なのに、推しの衣装に込められたお香の匂いがわかるほど近づけるなんて、こんなの、なんて言えばいいんだろう。夢にも思わないぐらいの夢が叶うことがあるんだ。幸せ以上をなんて言えばいいんだろう。

ありがとう以上の感謝の言葉を知りたい。

推しを好きになって、本当に良かった。

今年、本厄なんて嘘なんじゃないかな。それとも、残りの10か月あまりで全部裏返るのかな。嫌だけど、それも仕方ないと思えるぐらい幸運な日でした。