私の事しか語れない。

日々の彼是。脳内垂れ流し。

お上りさんであることは変わらない。

日程は未だ未定であるものの、田舎に引っ込むことは決定しているので、夫と一緒に東京観光に勤しんでいる。とは言え、お互いに趣味がそれなりに偏っているので、行くのは王道の観光地だけではない。

G,Wの後半の土曜日。夫にとってのG,Wは残り2日だった。私達は浅草へと向かった。

お目当ては、浅草寺の裏の方にあるおにぎり屋さんと、前月に開店したばかりの夫の好きなブランドショップの浅草店限定商品だ。

残念ながら、おにぎり屋さんはお休みだった。事前に電話もしたけれど、特にアナウンスはなく、HPなども無いようだったので、直接行かないとわからなかった。

休業であることを知った時に夫にブチ切れられないかとビクビクしたが、予想に反して、あっさりと納得してくれた。夫からしたら想定内だったらしい。

仕方なく、おにぎり屋を後にし、浅草らしいものを食べようと蕎麦屋に入った。雷門の側にある尾張屋さんは、老舗の蕎麦屋だったけれど、タイミングが良かったようで、待つことなく席に座ることが出来た。

夫は車海老を使った上天蕎麦、私は普通の海老天蕎麦を頼んだ。東京ぽい濃い目のつゆだったけれど、あしらわれた三つ葉や柚子皮のおかげで、重たさを感じなかった。

天ぷらは熱々のサクサクで胡麻油の香ばしい匂いがなんとも言えなかった。

江戸前天ぷらを堪能した後は、夫の好きな店でTシャツを買い、夫が好きな唐草模様の小物が置いてあるお店で、弁当用の大判のハンカチを色違いで数枚買い、東武線に乗り、スカイツリーへ行った。展望台へ登るにはチケットを買うのに2時間以上待つというので、すぐに断念し、地下鉄とJRを乗り継ぎ、秋葉原に行った。イヤホンが欲しいのだという。以前も行ったことのある、ビルのワンフロアが全てイヤホンとその付属品だけのお店へ行った。

余談だが、私の推し俳優もこの店に、某番組のお買い物ロケで訪れていた。しかも、お買い物番組なのに、時間内に選びきれず、後日再訪して買ったらしい。その拘りの強さも推せる。

夫は1時間ほど物色し、どうにか納得できるものを探せたらしい。私は私で適当にぶらぶらしたり、高そうなヘッドホンを試したりしていた。

新しいイヤホンを秋葉原駅のフードコートで開封し、設定し、さっそく試しながら、さらに移動。五反田のガード下の、テレビで紹介されてたという立ち食い蕎麦の店で焼きそばを食べた。

お店で焼きそばを食べることはほとんどないが、ソースが滴って美味しかった。これはビールだなと思ったけれど、すでにフードコートで一杯飲んでいたので、やめておいた。

焼きそばを食べた店の向かい側にあるうどん屋もテレビで紹介されたという。私はすでに焼きそばで満腹だったので、夫だけ店に入った。店と言ってもやはり立ち食いスタイルで外から見ても恐ろしく狭い。しかし、味はとても良かったらしく、食べ終えて出てきた夫は、ものすごく褒めていた。

観光というか、食欲と物欲を満たすだけの散歩だったが、大きな喧嘩もなく過ごせて良かった。

そして、G,W明けのやる気の無い一週間未満をどうにかこうにか終わらせての、週末、私達は、再びスカイツリーへと向かった。

その前に、私の好きなラーメン屋にも行った。学生時代から大好きなお店で、とても人気のお店なので開店1時間前に行ってもすでに行列しており、1巡目には入れなかった。

1時間以上も夫が待ってくれるか不安だったけれど、新しいイヤホンのおかげで特に不機嫌になることなく、ラーメンを堪能できた。

そしてスカイツリーである。足元のソラマチには何度も行ったことはあるが、展望台には上がったことはなかった。単純に値段が高いし、いつでも来られるとタカをくくっていたが、残念ながら近い内にいつでも来られる距離ではなくなるので、この機会に登っておくことにした。のが、G,W前の話で、前述の通り、G,W中の混雑具合に敗北したので、リベンジである。

本当は前日にチケットを買っておく予定だったが、すっかり忘れていた。しかし、それも必要ないぐらいスムーズにチケット買い、展望台へと登ることができた。

中の装飾がきれいで恐ろしく静かなエレベーターに乗ると、あっという間に地上350m。窓の外は見たことがないぐらい建物が小さくて、その高さに思わず足が竦んだ。実は、私も夫も、高いところはそれほど得意ではない。ドキドキしながらも、あれが東京タワーだとか、あっちが横浜じゃないか、などと話しながら展望台を見て回り、一通り見たところで、さらに上階にある天望回廊へ向かった。天望回廊へのエレベーターは一部がガラス張りになっており、声が出そうになってしまった。

さらに高い場所に来ると、景色は一層遠くまで見渡せた。ここまで遠いと私はむしろ現実感が無くなり、ジオラマを見ているような気分だった。夫は先程よりも窓が近いのが怖いらしく、あまり窓側に近寄っていなかった。

最高到達点で記念撮影し、満足したので、展望階へ戻った。下りのエレベーターホールには、下まで見えるガラスの床がある。夫は見るだけで、乗ることは出来なかったが、私はせっかくなので、端の方に足をのせてみたら、一気に足元に汗をかいてしまった。

ちなみに床に使われたガラスは、推しがCMをしてる硝子会社の製品だった。それだけのことが、なんだか嬉しい。

十分に高いところを楽しんだので、今度は地下へと降りて地下鉄に乗り、また秋葉原へ行った。今度は中古のVRがほしいのだという。連休明けの秋葉原はむしろ混んでいて、なんだろうと思ったら神田祭の日だった。萌えと電化製品を扱うお店のなかに、お神輿が祀られていたりしたのでなんだか不思議な光景だった。

中古のVRで適当な値段ものがあり、夫に買っていいかと聞かれた。結局買うことになるんだろうな、と思いつつ、前の週に同じぐらいの値段のイヤホンを買ったばかりなこと、重量税の請求書が来てることを話すと、しばらく考えたあとに、今回は止めておく、と言われて、とても驚いた。そのあと不機嫌になることもなく、予定通り、また五反田へ行き、今度は私もうどんを食べた。見た目以上の狭さだったが、出汁が濃くて、揚げたての天ぷらがとても美味しかった。さらに、焼きそばを持ち帰り、帰りの電車の中で食べた。今度はビールも一緒に食べたが、やはり出来たての美味しさには叶わない。

そんな感じで、仲良く出かけている。今週末も出かける予定だ。正直、出費が痛いけれど、夫の方は、いつ関東を離れるかわからないので、今のうちに行けるところに行っておきたい。来月あたりは、夢の国にも行きたいな。

異動と無職になるかもしれない不安は、今の所、鳴りを潜めている。また、不安定になったら、爆発するのかもしれない。

やらなくちゃいけないことも沢山ある気がするけれど、今は、楽しいことだけ考えたい。