私の事しか語れない。

日々の彼是。脳内垂れ流し。

幸運な週末。

自分は、それなりに恵まれているな、と思うことはあっても、幸運だとか、運が強いだとか思うことは、ほとんどありません。あったかもしれないけど、思い出せないぐらいだから、やっぱりないんでしょう。でも、私、運が良いかもしれません。そう思えるようなことがありました。

何かに当選したりということも、あんまりありません。思い出せないぐらい。だから、気まぐれで、あまり期待せずに応募したものが当選した時は、きっと応募人数が少なくて、当選数が多いのね、と思っていました。かんぽ生命のキャンペーンは、保険の見積りを作ってもらうという、いくつかのハードルを超えた上で応募できるものだったので、ほかのメーカーや、お店がやっているキャンペーンよりは、当選確率が高いかもしれません。だから、宝塚の貸切公演が当たっても、ああ、当たるものなんだな、少しは運がいいのかも、と思いました。

ペアチケットだったので、宝塚好きの友達を誘い、観に行くことにしました。席は、当日の抽選で決まります。実は、宝塚好きの友達は、昨年も、他の方に誘われて、貸切公演に来ており、その時は、なんと2列目で鑑賞したらしい。今年は、多分、昨年以上の席にはなれないよ、などと話していました。席の抽選が始まる時間に受付に行くと、すでに列ができています。ドキドキしながら列に並び、案内されるままに進み、籠に入れられた封筒を一枚選びます。前から取った方がいいのか?と逡巡しましたが、いや、足掻こう、と、真ん中辺りから封筒を引き抜きました。その場でチケットが、ちゃんと2枚入っていることを確認されましたが、席の番号までは確かめずに、待っていた友達の元へと戻ります。いっそうドキドキしながら、封筒を開け、チケットを確認しました。1階、5列、36番。チケットの封筒に書かれている座席表を確認すると、そこはSS席でした。

確認すると同時に悲鳴。やばい!1階!SS席!すごい!私、持ってる!などと騒ぎ、友達を喜び合いました。こんなにラッキーだと思ったことは、無いかもしれない。ゲスな話、SS席は、通常12000円します。でも、高い分、よく見えるので、どの公演でも、ファンの方が早々に押えてしまい、普段の公演でも、なかなか取ることのできない席なのです。本当に、なんたる幸運。

 

今回の貸切公演は、月組のトップの方のサヨナラ公演でもありました。私は宝塚を観るのは2回目だったのですが、初めて見たのも、月組の今のトップの方の公演でした。なんだか感慨深いです。今回の演目は、ロックミュージカル『NOBUNAGA~天下の夢』そして、レビューショー『FoeverLove』の二部構成。

一部と二部の間に、余興としてお楽しみ抽選会があり、なんと一緒に行った友達は、娘役トップの方のサイン色紙が当たりました。そうか、持っているのは私じゃなくて、友達の方だったか。もしかしたら、その友達が一緒でなければ、SS席になんて座れなかったかもしれません。私の幸運は、運の良い友達がいることだったようです。

https://www.instagram.com/p/BIwq1I5jf7E/【幸運の証明。】

久々の、2回目の宝塚は本当に素敵でした。

 『NOBUNAGA~天下の夢』は、その名の通り、織田信長の半生を描いた舞台。正直、時代考証とか史実とか、そういうのを超越した舞台なので、突っ込みどころというか、何故そうなった?みたいなのは、多々あるのですが、そんなのは、瑣末なことだと思えるぐらい、すべてがカッコ良かったです。歌もダンスも立ち回りも全部カッコ良かった。舞台装置もすごくて、転換が多いのは驚きました。回転とセリを効果的に使っていたし、象が出てきた時は、ちょっと笑ってしまいました。

特に、信長役の龍真咲さんは、立ってるだけで素敵で、やっぱり、トップは別格なんだな、と思わされます。その他の皆さんも当然のようにクオリティが高くて、群衆で歌う場面などは、声の響きに圧倒されました。それは、特にレビューショーの方が顕著だったと思います。

トップは、トップとして扱われるこそ、トップなんだなと、つくづく思いました。出てくる度に拍手を浴びて、いつでもセンターで踊り、他の組員を背負って、観客を魅了する。トップは、そうでなければならない。誰よりも華やかな衣装を着て、スポットライトを浴びる。全ての観客の視線を集め、それを受け止める。そうすることで、トップになるんだと思いました。

SS席だけあって、出演者の表情もよく見えました。特に、銀橋と呼ばれる花道を通るときは、ふんわりお化粧の匂いもして、なんだか夢見心地でした。こんなにキラキラした世界を間近で見られるのは、二度とないでしょう。

ダンスと歌のクオリティの高さは、日々の稽古とリハーサルの賜であることは、よくわかるのですが、大変そう、つらそう、とは微塵も思わされないほどの、明るさがありました。綺麗なところしか見せない世界というのは、フィクションです。でも、それでいい。造り物でいい、嘘でもいい、一時の煌めきと夢を見せて欲しい。リアルだけが全てじゃないんだ。

フィナーレの大階段は、まさに宝塚。きらびやかな衣装がならび、電飾が光り、羽根が揺れる。いっそ、バカバカしいほどなのに、引き込まれる、目が離せない、私はこれを見たかったんだと思いました。宝塚を見に来たのなら、これを見ないでどうする、と思いました。一際大きな羽根を背負った龍真咲さんが登場した時、なんだかどうしようもなく、好きにならざるをえない、何かに至った気がしました。だって、トップなんだもの。全てはそれに帰結する。

観終わったあと、劇場の外にでると、出待ちのファンの方々がすでに列を作っていました。これは、応援しがいがある。それこそが、宝塚の歴史を作っているのだと思いました。龍真咲さんが退団されるのは、とても寂しいことだけれども、二番手として輝いていた珠城りょうさんが、トップとして扱われた時に、どんな煌めきを見せてくるのか、見てみたいと思いました。そして、そう思わせるのが、宝塚の強みであり、最大の魅力なんだろうと思います。

なんだか熱に浮かされたように浮かれた文章で、分かったようなこと語っちゃってますが、まだ2回しか見てないですからね。宝塚ファンとも言えないような立場ですので、そんなのにまで夢を見させてくれる宝塚が素晴らしいって話ですから。

ZUCCA×ZUCA(1) (KCデラックス モーニング)

ZUCCA×ZUCA(1) (KCデラックス モーニング)

 

 コレ読んで予習してから、また観に行きたい。