私の事しか語れない。

日々の彼是。脳内垂れ流し。

足りないものを補う。

ネットで買い物をするようになってから、無駄遣いが増えたと思う。そして、旦那がいない時に、さらに増える。必要そうだけど、買わなくてもいいものを買う。服とか靴とか健康器具とか。高いものと迷っているものは相談する。あとは、勝手に買う。私の稼ぎから出るんだから文句を言われる筋合いはないと思いつつも、私は彼の稼ぎで暮らしている。

前にも、買ったものを書き連ねたけれど、あれから、さらに増えている。

ブラウス、スカート2着、リュック、カットソー2着、カットソー素材のシャツ2着、ズボン2本、レインブーツ、セーター、下着2組。ピアス2組、髪飾り。今のところ、買って使ってないものはないので、全くの無駄ではないけれど、必要不可欠かと言われると、そんなこともない。着道楽というほど、オシャレじゃないけど、だからこそ服が欲しくなるのかもしれない。でも、まったく服を持ってないわけでもないので、やっぱり買う必要はそんなに無い。

私には穴が空いてる。それが分かる。

子どもの頃は、自分の真ん中に穴が空いてるなんて、知らなかった。身体の成長が早かったので、初潮を迎えた頃も、色々と知識が足りなかった。ティーン向けの保健体育的な本で知識を得たりもしたけれど、それと自分の身体が直結していなかった。血が出て、お腹は痛くなるけど、自分の身体のどの部分から血が出て、お腹のどの部分が痛むのか、はっきりとはわかっていなかった。

穴が空いた気がした。いつの時か、それに気づいた。自分に穴が空いたんだと思った。本当は、生まれた時から空いていたのに。気づいていなかっただけなのに。穴を塞ぎたいと思ったのは、それからずっと後だ。穴を塞ぐ手段があることもずっと後から知った。

彼がいなくなると、私は自分の穴を思い出す。彼以外の方法で、穴を塞ごうとする。それでも、塞げない。本当は、彼にだって、塞ぐことはできない。

物欲は、原始的な欲じゃない。生きる余裕があって初めて生まれる欲だと思う。三大欲求はそれぞれに補い合うというけれど、そこに物欲が入る隙はない。ないはずなのに、私は自分の満たされない欲を物で埋めようとする。少しでも穴が埋まればいいなと思う。でも、すぐに物は物になっていく。その形を変えることはない。穴を埋める蓋にはなってくれない。だから、ずっと満たされない。何度でも物を欲してそれを手に入れる。

物以外で満たされるなら、それに越したことはない。惰眠を貪り、食べたいものを食べ、自分を慰めて、それでも満たされない。満たされることなんてあり得ない。彼がいたって、満たされるわけないことも分かっているのに、いてくれたら、と思う。

何故だろう、前より酷くなっている気がする。時々、欲しくて堪らなくなる。ホルモンの暴走なら、それでもいいけど、だんだん欲の深さが増していくのは、少し怖い。寂しさは、蓄積されるんだろうか。彼が帰ってきても、リセットされることはないんだろうか。これはどこまで行くんだろうか。彼と付き合い始めて、半年ほどで、初めて出張に出かけていった。そこから、1年半ぐらいは、出張のない時期もあったけれど、結婚してからは、半年もおかずに出張を繰り返してる。あとどれぐらい、この状況が続くんだろう。そんなこと、考えたこともなかった。いつも、見送って、帰ってくるのを待って、いない間の時間をどう過ごすかだけ考えて、先のこと何て見てなかった。

変わらなくてもいいとさえ思っていた。今の生活が変わることなんて、想像できない。結婚前から、半同棲状態だったから、結婚前も後もあまり変わっていない。だから、尚更、変わるのが怖い。

でも、なんだか、私の穴は深く広がっていくようで、それは、今のままでいることに限界を感じているからじゃないだろうか。足りなさは、増える一方。飢えて、餓えて、無くても平気だと思っていたことが、だんだん平気じゃなくなってきている。

一人は寂しい。誰かといたい。誰かと触れ合いたい。慰めて欲しい、甘えさせて欲しい、下らないことで笑いたい。

彼の前の私になりたい。

物じゃ埋まらない。本当は、全然埋まってない。だけど、それぐらいしか、補う手段を知らない。消費して、何かを得た気分になりたい。彼が帰ってくる間に、あと何を買おうか。いくら使おうか。

いっそ、誰かがいればいいのに、と、昼ドラ見ながら考える。主人公の衣装が毎日違って、衣装持ちだな、ああいう服もいいな、と考えながら。