新しくて、初めてで、久しぶり。
最後にライブに行ったのが、2019年の9月なので、丸2年ぶりにライブへ行ってきました。
本当は、2020年にもライブに行く予定があったのですが、コロナ禍で中止になってしまいました。
まだ、コロナ禍真っ只中ではありますが、色んな事が分かって、色んなことが変わって、新様式でのライブ開催。
チケットを申し込んだ時は、もう少し治まってるか、何か状況変わったりしてるかと期待していたんですが、そんなことはなく。せめて、緊急事態宣言が終了してただけでも、御の字というところでしょうか。
とにかく、2年ぶりにCreepyNutsのライブに行けたわけです。ちなみに最後に行ったのもCreepyNutsでした。
本当は、日本武道館も、前回のツアーも行きたかったのですが、まだ行きたいと言い出せる雰囲気ではなく。今回が幸運だったと思います。
私としては、引っ越してきて初めての地方ライブ参戦で、初めての会場だし、土地勘もないし、どれぐらい物販に並ぶ人がいるのかとかも分からない状況で、戸惑いというか、不安も大きかったんですが、概ね予定通りに行けました。
まず、会場がホールというのも、CreepyNutsのライブを観るのに初めてで、HIP HOPをホールで?という気持ちもあったんですが、大きい会場を埋められるようになったという喜びと、このご時世にオールスタンディングで他人とゼロ距離はアカンよな、というところで納得しました。会場になってた場所は、ホール以外に会議室やら色々入ってる複合施設で、その中にライブTシャツ着た状態で行くのはどうかと思ったんですが、同じ方向に行く人が、ほぼ同じ格好だったので、何も気にせずにいられました。
そう、今回はグッズを事前に通販することができたので、予め買っておいたTシャツを家から着た状態で、行くことができました。デザイン的にも着てて恥ずかしくないので、助かります。会場でしか買えないガチャだけ回しに早めに会場へ行き、予定通りにガチャを回したんですが、コンプリートとかは狙わず、2回で止めときました。
その時点で、開場まで2時間近くあって、当初はどこかのカフェでも行って時間を潰そうかと思っていたのですが、同じような恰好をした人達が、普通にロビーの椅子やソファに座って開場を待っているようだったので、それに倣ってそのまま2時間過ごしました。
今まで、何回か関東のライブに行き、開場よりもずっと前に物販目当てに行って、時間を潰すのに苦労したことはありますが、だいたいロビーに入ることもできず、とりあえず会場を離れたどこかに行くことがほとんどだったので、その場にいられるのは、新鮮でした。地方あるあるなのか、この会場に限ったことなのかわからないけど。
とりあえず無為に時間を過ごし、開場30分前ぐらいから入場列ができ始めたので、よくわからないまま列に並び、入場しました。入場すると、チケットをもぎられる前に検温され、中に入るとすぐに消毒エリアがあり、出演CMの試供品をもらい、何故か日本武道館ライブのポストカードをもらいました。なんでくれたんだろう。嬉しいけど。
一般購入したチケットで、1階席後方の席でした。ギリギリ肉眼で見える距離。自分は壊滅的に目が悪いので、視力1.0以上の人なら余裕で見えるぐらいでした。
予定の10分押しぐらいで、いよいよ開演、そこからの2時間弱は、本当にあっという間でした。とにかく楽しかった。やっと見れた!という感慨もあるし、CDで聞いた曲を生で聞けた喜びもあるし、会場の皆さんと一体になって盛り上がれた高揚感で最高潮でした。ホールで、どれぐらい盛り上がれるのか、ちょっと心配な気持ちもあったのですが、そんなのが杞憂だったことが、すぐに分かるほど、最初から皆がハンズアップしてて、嬉しかったです。
ライブに行くようになって、何度か思ったのは、ライブはアーティストのパフォーマンスを一方的に見るものではないということです。
観客席からも、アーティストを盛り上げてこそのライブであり、アーティストにも、ライブしてよかったなと思って欲しいとすら、思うようになりました。
だから、正直、声をあげられないライブなんて、という気持ちもありました。声を上げずに楽しめるのか、盛り上がれるのか、と思っていたのですが、リアクションとしての拍手、曲に合わせた手拍子、ハンズアップ、ゴンフィンガー、気持ちを伝える方法がたくさんあることを知れたし、アーティスト側からも、伝わってると言ってもらえて、本当に嬉しかった。観客が同じ気持ちで一緒に盛り上がって、楽しめたのが、本当に良かったです。もちろん、本音を言えば、声を上げたかったし、一緒に歌いたかったので、早くそういうライブが出来るようには、なって欲しいです。
セトリもすごく考えられていて、今回のアルバムの曲だけじゃなくて、テッパンで盛り上がれる曲や、曲との繋がりを重視した曲など、アーティストとしての歩みが見えるような、素敵なセトリでした。
合間のMCも、いつもの軽口から、地方公演らしい地域ネタもあって、ちょっと新鮮でした。曲ふりのMCは多分、流れだけ決めてるのか、なんかR-指定本人も、どう言おうか考えてる感じが、よりライブ感があって良かったし、なんかアーティストとしての貫禄出てるなって、なんか上から目線で思ってしまいました。
時間の関係か、コロナ禍だからか、アンコールが無かったのが至極残念ではありましたが、本当に最高のライブだったので、また次もぜひ参加したいです。
チケット当たればだな。
さらに注入されたことの彼是。
ワクチン接種の2回目を受けてきたので、備忘録。
4週間前に、思った以上にサクサクと接種を済ませ、諸々の準備も必要なかったような気がするほど、副反応は出ず。多少の腕の痛みと、1週間ほどのだるさというかやる気のなさだけを感じていた。
4週間なんて、働いているとあっという間に過ぎてしまう。
8月末ごろに、ああ、ワクチン接種をするから、あれもこれもしておかなくては、と思いつつ、1回目があっさりと済んだせいか、不安も少なく備えも疎かにしていた。
それでも、当日は打った後のことを考えて、午前中のうちに家事を済ませ、余裕を持って、接種に臨んだ。
今回は予約の15分ほど前に病院に到着したが、特に待たされることなく、そのまま受付に通してもらい、以前同様、サクサクと接種に至った。
前回は、筋肉に針を刺される痛みが強かったけれど、今回はそれほどでもなく。
打った直後はほとんど痛みがなかった。
夕方になって、少し腕に痛みを感じてきたけれど、ほかに症状はなく、いつも通り過ごし、念のために体温計だけは枕元に準備して布団に入った。
もともと寝つきが悪い方だと思うが、ふと目を覚ますと、なんだか体がざわざわと悪寒がした。隣には夫が寝ているので電気をつけるのも悪いので、寝室を出て、体温を測ると平熱よりも少し高めというぐらい。
そういえば、1回目の接種の時も悪寒やリンパの腫れは感じながら発熱には至らなかったな、今回も悪寒だけか、と思いつつ、もう一度眠りについた。
その時に眠ったのかどうか定かではないけれど、また気づくと悪寒酷くなっていて、身体が熱くなっている。発熱してるだろうと自覚できるような症状だった。
もう一度、寝室を出て、熱を測ると37.7℃。しっかり発熱していた。今回は副反応出るパターンか、と思いながら、枕元に解熱剤を用意していなかったことを悔やみつつ、夫がワクチン接種した時に病院でもらってきた解熱剤を服用して、再び眠りについた。いや、つこうとしたけれど、どうにも体が熱く、節々が痛い。とにかく眠って熱を下げたいが、熱さと痛みの不快感で眠れない。ようやくウトウトしたと思うと、夫の目覚ましがなった。夫に熱があると訴え、体温計で熱を測ると38.1℃。上がってるじゃねーか、と思いつつ、とりあえず夜か明け方に薬は飲んだことを伝え、横になっていることにした。夫に何か欲しい物はあるかと言われたので、飲み物を持ってきて欲しいというと、ペットボトルの炭酸水とシェイカーに入れたアクエリアスを持ってきてくれた。
まだ体は動いたので、休日出勤する夫を見送り、冷蔵庫に入れっぱなしにしていたゼリー飲料を持って寝室に入り、次の薬が飲めるだろう時間になるのを待った。
悪寒はするけれど、身体は熱い。でも、汗は出ない。体に熱がこもる一方で節々が痛いので眠れない。眠ったと思っても2時間も経っていない。
ようやく起きてから3時間ほどたったところで怠い身体を起こし、ゼリー飲料を半分ほど飲んで空腹状態をごまかしてから、2回目の解熱剤を服用した。少しは楽になるだろうと思いながら、また横になる。眠れはしない。だるくてスマホもいじれない。本当に何もできない。トイレに行きたくて目を覚まし、重い身体をなんとか起き上がらせ、メゾネットタイプのアパートであることを恨めしく思いながら階段を降り、排泄すると内臓が腫れているのが分かって、また不快に感じる。
布団に戻って体温を測ると、38.1℃。ほとんど変わってねーじゃねーか、と思いながら、次に薬を飲める時間が来るのを待つしかない。
また4時間後に同じように服用し、目が覚める度に体温を測るもほとんど変わらず。
3回目の服用からまた4時間経った頃には、39.2℃になっていて頭痛もしてきた。
これは、ダメだ。脳が茹ってしまう。朝に夫に貼られた冷えピタはとうにぬるくなっており、昼に張り替えたものも、もうその役目を終えている。冷凍庫で食材と一緒に凍っていた保冷剤をタオルで包んで頭やおでこや首に当てていたけれど、表面が冷えるだけ。もっと強い薬を飲もう。夜中に薬を探していた時に、夫が風邪で高熱を出した時に処方された薬を見つけていたので、それを飲むことにした。
もう夕方だったので、空腹で飲むのは良くないと思い、またゼリー飲料を飲み、胃薬も一緒に服用した。
すぐには楽にならなかったけれど、そろそろ夫が帰宅するであろう時間だったので、そのままリビングで横になっていた。
しばらくすると夫から帰るコールがあり、夕食を買ってきてくれるという。
風邪ではないのは分かっていたけれど、風邪の時に食べたくなるものをリクエストして買ってきてくれた。
薬を服用してから1時間ほど過ぎると急に汗をかきはじめ、体温が下がるのを感じた。
それでも38.1℃だったけれど、39℃に比べると全然違う。
なんとか夕飯を食べ、また布団へ戻った。翌日は月曜なので、仕事は休むことになるだとうとは思っていたけれど、夫は出社するので、とりあえず起きないわけにはいかない。
この日の夜は、前日に比べると眠れたと思う。何度か目は覚めたけれど、体温は測らなかった。少し頭痛はあったけれど、眠れば治まる気がしていた。熱が下がっていれば、出社できるかもしれないとすら、思っていた。
翌朝、目が覚めると若干頭痛がする。薬を飲みたい。こんなにも連続で解熱剤を服用するのは初めてでちょっと怖い。
体温は、37.5℃。前日よりはだいぶマシだけれど、出社は出来ない。
とにかく頭痛をどうにかしたくて、前日に買ってきてもらっていたヨーグルトを食べてから、市販の解熱鎮痛剤を服用した。
夫の出社準備を手伝い、夫を見送り、会社に休む連絡を入れて、布団に戻ると前日よりもだいぶ身体が楽になっていた。しばらく横になって、前日には出来なかったスマホをいじるなどして過ごした。そういえば、前日は寝込んで全然カロリーを摂れていなかつたと思い、昼前にシュークリームを食べた。前日もゼリー飲料を飲んではいたけれど、夜に飲んだもの以外は低カロリーのものだったので、もう少しカロリーのあるものを準備しておいてもよかったかもしれない。もっと言うと、夜に発熱に気づいた時から、強めの薬を飲んでおけば、無駄に体力を消費しなくて済んだかもしれない。まぁ、後からなら何とでも言えることだけど。
昼食前に体温を測ると37℃まで下がっていたが、まだ平熱とは言えない。昼食後に軽めの解熱剤を服用した。これで平熱まで下がったので、これが最後の服用になった。
昼過ぎにはだいぶ身体は楽になったので、ようやく風呂に入ったり、汗で湿ったシーツや布団カバーを洗うことが出来た。
風呂に入る前に体重を測ると前々日に測った時よりも1Kg減っていた。
ここ数年、代謝が落ちているのか、数日で1Kgの増減なんて見たことないのに。
消耗って恐ろしい。
結局、ダラダラと一日を過ごし、今思うと眠ることはあまりしなかった。
茹った脳が興奮してたのかもしれない。
夜には疲れが出たのか、いつもよりは早く寝つけた気がする。
翌日の朝にはすっかり平熱になっていたが、2日ほどまともに食べなかったせいか、少し貧血気味なのと、刺された周りが少し赤くはれて所謂モデルナアームになっていた。
というわけで、1回目の副反応がほとんどなかったからと油断したけれど、2回目はしっかり副反応が出ました。
38℃台の高熱は大人になってからは多分初めてで、とても辛かったです。
以前、夫が風邪で同じぐらい高熱を出した時に、痛くて眠れないだの横になれないだの言っていて、この人は体調悪いのに何を言っているんだろう。大人しく寝ればいいのに、と思っていたけれど、寝るのも辛い状態があることを身をもって知りました。
次に夫が同じような症状になった時は、もっと親身になってあげられると思う。
だいぶひどい目にあったなと思っているので、さらにワクチン接種が必要って言われたら、ちょっと怖いな。それでも受けるんだろうけどさ。
本当に早くCOVID-19は収束してくれよ。
注入されたことの彼是。
ワクチン接種の1回目を受けてきたので、備忘録。
国内でのワクチン接種が始まったのは、春先だっただろうか。
自分はいつ打てるのかなと思いつつ、待つしかなかった。
職域接種を受けることが可能だと言われたのは、6月初めだったと思う。
自分の会社自体はそれほど大きくないが、出入りしている客先の大企業の協力会社枠として、打つことが可能だと知り、正直安堵した。
しかし、しばらくすると、ワクチンの供給が安定しないので、日程は延期になると連絡があった。
肩透かしを食らった気分になりつつも、同じようなことは全国で起こっていたので、仕方ないと受け止めた。
職域接種の希望を募っていたのと同じ頃、自治体から基礎疾患を持つ人に対しての接種希望を募る案内が届いた。
幸か不幸か自分には申請するような持病はない。夫は、喘息持ちなので、職域接種の希望は出しつつ、自治体の接種希望も出していた。
なので、職域接種の予定が延期になると、職域接種の希望をキャンセルし、自治体の摂取予約をした。夫のかかりつけの医院で、2週間後ぐらいの予約を取り、接種してた。
先に打てる夫を羨ましく思いつつも、職域接種の日程が決まるのを待っていたが、自治体が高齢者や基礎疾患のある人以外にも接種クーポンを出すのと同時期に、とうとう職域接種自体の予定が無くなってしまった。
私の住む自治体はそれなりにウェブサイトなどにも力を入れているようで、ワクチン接種に関しての様々な情報が特設サイト上で確認することが出来た。
それによると、市の大規模接種会場でのモデルナワクチン接種を最短の日程で予約することが出来そうだった。
案内に従って、希望場所、日時などを入力するだけで、簡単に1週間後の枠を取ることが出来た。
他の、市内の病院での接種の予約は最短でも1か月後とかだったので、やはりモデルナ製ワクチンの副反応が嫌で希望しない人が多いのかもしれないなと思った。
Twitterなどをみていると、1回目でも副反応が強く出ている人がいて、少し不安だった。念のため、接種の数日前からスポーツドリンクや、すぐに食べられるものなどを用意して、副反応に備えた。
当日は土曜にで、午後からの接種だったので、午前中のうちに家事を終わらせ、帰宅後は何もしなくていいように努めた。
いよいよ当日。前述のとおり、朝から家事を終わらせるつもりだったけれど、寝坊してしまい、予定よりも色々1時間ぐらい遅れてしまった。
なんとか家を出ようと思っていた時間には間に合ったけれど、市民病院は初めて行くので、もっと余裕を持って行きたかった。
案の定、入口がわからなくて一度通過してしまったけれど、なんとか駐車場に入ることが出来た。ついでに、駐車場は立駐で、立駐自体ほとんど止めたことがないので、ちょっと緊張した。とはいえ、やはり田舎の立駐なのでスペース広くて助かった。
大きな病院の入り口を進むと目の前に人が経っていて、接種の予約時間を確認された。
私はウェブから予約したので、届いた確認メールを見せたけれど、電話予約した人は何か見せられるものはあるんだろうか。
確認が済むと、すぐそばにあった画像に出るタイプの非接触型の体温計で体温を測り、平熱であれば、そのまま進み、接種クーポンと予診票の有無、身分証を確認された。
その最初の受付らしき長机は4つほどあり、8人ぐらい座っていたと思う。
接種クーポンと予診票をバインダーに挟まれ、もう一度、今度はおでこで測るタイプの非接触型の体温計で体温を測られ、予診票に記入された。ここにも6人ぐらいいたと思う。
さらに進んだ先の机にいた人に、アルファベットと番号を振られ、何かで分けられた。
アルファベットで分けられたスペースの席に通され、予診の順番待ち。
数分も待つことなく、すぐに診察室に通され、予診。アレルギーの有無などを聞かれ、副反応について色々説明を受けた。やはり腕の腫れと発熱を起こることが多いらしい。
どちらも市販薬で対応できると言われた。腕の腫れに、最近自分が使っている汗疹の薬が使えるか知りたかったので、何に効くものを塗ればいいか質問したけれど、薬局で相談してくれと言われた。そういうものか。
予診が終わると、接種スペースへ通され、ちょうど空いていたようで、待つことなく接種する診察室へ通された。
左肩の下あたりを消毒され、とうとう接種の瞬間。筋肉注射は2回目で、昨年インフルエンザワクチンを接種した時は、まったく何も感じないほどだったので、今回も注射の痛みに対しては何も警戒していなかったのだけれど、まぁまぁ痛かった。
単純に刺される痛み。シャーペンの先をぎゅーと押し付けられたような痛み。
痛いなと思っていると、「お薬入れますね。」と声を掛けられ、長いなと思った。
接種の痕に絆創膏を腫られ、接種は終わり。
接種終了の手続きをして、待機時間が書かれた紙を渡され、上階の待機場所へ移動。
15分待機し、今回の予診票の控えを返され、次回の予診票をもらって終わり。
病院に入ってから出るまで1時間かかっていないので、とてもスムーズだった。
かと言って、受ける人が少ないというわけではなく、常に前に人はいたし、待機場所では座る場所を探すほどだった。
受ける人を待たせないように、スペースを分けて、常に案内する人がいて、人を溜まらせないようにしているようだった。
スタッフが病院職員なのか自治体職員なのか、分からないけれど、休日に対応してくれているのだから、ありがたいことです。
接種後すぐは、腕に刺された痛みを感じるぐらいで、運転にも支障はなく、買い物して帰ることができた。
帰宅後、なんとなく体が熱い気がして測ってみると、37.0℃になっていた。接種前は36.4℃だったので、微熱と言えるだろう。
とりあえず、まだ家事を残していたので、それを終わらせ、スマホをいじりつつゴロゴロして過ごした。時折、腕の痛みを感じたけれど、スマホのせいなのか、注射のせいなのか判別できなかった。
寝坊した分、睡眠時間は足りているはずなのに、眠気を感じた。今思うと、倦怠感てやつだったのかも。
結局、夜までただゴロゴロしてた。
夫が帰って来る前に熱を測ると平熱に戻っていた。
夕飯には夫が貰ってきた折詰の寿司を食べた。ビールも飲みたかったけれど、夫に止められたので、やめておいた。
寝る前にも熱はなかったけれど、なんとなくリンパ節が腫れているような感覚があり、寒気もあった。体内で燻っているような感じだけれど、発熱には至らないようだった。
念のため、買っておいたスポーツドリンクと夫が接種した時に病院でもらったカロナールを枕元に置いてから寝た。
翌日、休日出勤する夫の為に、早起きする。朝も熱は無し。腕は前日よりも痛く、筋肉痛というよりは、打ち身のような痛さ。
夫を見送ると、特に予定もなかったので、この日もゴロゴロ過ごした。
夕方から、買い物に行ったり用事を済ませたりしたけれど、動くのには全く支障はなかった。
夕飯の時にも特に症状はなかったので飲酒した。前日に飲まなかった分とその日食べた素麵が美味しくなかったので口直しの為に、いつもより多めに飲んでしまった。
翌月曜日、万が一副反応が強く出れば出社できないかもしれないと金曜日に多めに仕事を片付けたのが無駄だったと思うぐらい平熱だったので、普段通り出社。
腕の痛みもほとんどなく、午後には、まったく気にならないほどだった。
というわけで、自分は副反応が強く出ないタイプでした。
年齢とか生活とか体質とか色々あるんだろうけど、ちょっと拍子抜けするぐらい何もなかった。
ただ、モデルナアームと言われる広範囲の腕の腫れは1週間後に出ることもあるらしいので、用心しつつ、来月の接種2回目を待ちたいと思います。
開かれるのを見た私的雑感。
オリンピックに開催には、懐疑的だった。どう考えても、不安を感じずに開催できるとは思えなかったし、色々と不穏な話題に事欠かなく、純粋に楽しめるとは思えなかった。
開会式の始まる時間、私は一人でリビングのテレビを見ていた。
夫は会社の同僚とキャンプに出かけたので、およそ2年ぶりの一人の夜だった。
その日の昼間は、いつも通る高速を初めて一人で運転したし、夕方には一人で玄関の頭上に出来た蜂の巣を駆除することに成功していた。
一人で観ていて、良かったと思う。
開会式のオープニングVTRは、悪くなかった。率直に言えば、良かった。
直前に辞任した音楽家の曲を使えず、4日前に作り直しが完成したという話をネットで後から見たけれど、それが本当なら、余計に素晴らしい出来だったと言わざるを得ない。
オープニングアクションのコンテンポラリーは、分かりやすいけれど、どこか簡素で、間に合わせた感が強かった。
時系列があやふやだから、印象に残ったことを羅列していくが、ミュンヘンオリンピックテロの追悼としてのダンスを森山未來を踊ったことに対しては、声が出るほど驚いて、思わず「いだてん、キタ!」と叫んでしまった。
その後の真矢みき登場には、ちょっと意味を受け取れなかったし、座頭市オマージュパフォーマンスは悪くないけれど、二番煎じ感がすごかった。
木遣り唄と火消しが素敵だったから、もっと活かしたパフォーマンスになれば良かったのに。
多様なダンサーが登場した時に、AYAさんか、BANBIさんぽい人がいるなと思ったら、MIKIKO先生繋がりのダンサーさんだった。
選手入場前のVTRも良かったけれど、入場前の口上を子供がやっているのが、運動会ぽくて気持ち悪かった。
そして、ドラクエの音楽に思わず声を上げた。「ドラクエかい!」ゲーム音楽リスペクトというより、ドラマ「カルテット」の中で客寄せの意味で弾いていた方を思い出した。その後に流れたゲーム音楽の中で分かるのはモンハンぐらいだった。
各国の選手の衣装を観るのが、とても楽しかった。どこの国も趣向を凝らしていて、本当に素敵だった。日本も前回大会と色の上下を変えて揃えているのが良かったと思う。
入場後の、IOCと東京オリンピック委員会の挨拶の場面で、おじいちゃん二人じゃなくて、心底良かったなと思ってしまった。色々あっての交代で、今の橋本さんになったけれど、諸々の事情は置いておいて、絵面的におじいちゃん二人よりも女性が入る方が印象がいいなと思った。
突然のEテレ感あふれるTVクルーキャラクターに関しては、必要性を感じなかったし、アナウンサー役がなだぎたけしさんだったことに、最後まで気付かなかった。
ピクトグラムのパフォーマンスは、端的に面白かった。なんか、これ知ってるな、と思ったら仮装大賞で、まさか中の人ががーまるちょばさんだとは、思わなかった。
でも、さすがのクオリティ。
聖火入場前のVTRで、急に劇団ひとりが出てきた時は、なんで?と思ったけれど、コメディアンとして、最高の顔芸だったと思う。
各会場が、点灯していく様子のVTRはとても綺麗で、リオの閉会式を思い出すなと思ったら、同じクリエイターさんだったのね。
市川海老蔵さんの登場には、それほど驚かなかったけれど、成田屋の睨みが、無病息災を意味していると後から知ったので、解説で言って欲しかった。
ジャズピアニストの方の演奏はトリッキーで面白かったから、市川海老蔵が音楽に合わせてパフォーマンスすればいいのに、なんか、色々嚙み合わないというか、ちぐはぐというか、継ぎ接ぎな感じ。
聖火リレーの様子を繋げたVTRには感動した。普通の人が嬉しそうにトーチを掲げている姿に、オリンピックを楽しみにしている人が沢山いるんだなと思えた。
会場での聖火リレーで、医療従事者が登場したのは、コロナ禍の強行の証だと思った。
前後するけど、オリンピックの旗を運んだ時にエッセンシャルワーカーを入れたのも同義だよね。
ついでに言うと、国旗掲揚の時も、オリンピックの旗を掲揚する時も、自衛隊がやっているのが、私にとっては、ものすごい違和感だったんだけど、これは、前回大会もそうだったんだろうか。他の国でも、軍が行うのが通例なのかな?キビキビとした動きが、軍国主義ぽさが強調されて、好きじゃなかったな。もっとワイワイやってもいいものだと思ってた。
聖火リレーの最終走者が大坂なおみさんだったことには、何も文句はないんだけど、色んな場面で、象徴のように扱われるな、とは思った。あと、数日前に来日後初の公開練習の様子をニュースでみて、気合入った髪型してるなとーと思ったから、なんであの髪型にしたのか、納得できた。
開会式の印象は、概ね悪くなかった。ただ、統一性がなく、コンセプトを感じられない。系統の違うバラエティ番組を続けざまに見たような印象。
MIKIKO先生だったら、色んなパフォーマンスを一つの世界観を崩すことなく見せてくれたんだろうな、と思ってしまう。
そして、私は椎名林檎さんのファンなので、彼女が作曲した曲をバックに選手が入場する姿を見たかった。
自分が生きてる中で、自国開催は、冬季入れても2度目で、夏季は最初で最後かもしれないと思ったから、初めて開会式を最初から最後まで見た。(途中早送りはしたけど)
開催が決定した時から、色んなことが心配されてて、本当にやるの?できるの?という気持ちもあった。それでも、国立競技場が出来たり、チケットが販売される頃には、すっかり観に行きたい気持ちでいっぱいで、どうせ関東に住んでるんだから、少しでもオリンピックを楽しみたいと思ってた。
けど、そんなこと言っていられない状況が続き、とうとう延期され、結局、無観客での開催になった。
なんの為の大会なのか、誰のために開催するのか、私には分からないけれど、色々な問題をなぎ倒しての強行突破のような開催で、なし崩し的に参加するアスリートに感動を与えることを強要した、オリンピック委員会や都の関係者、政府関係者には、これから起こることから目をそらすことなく、考え続けてほしい。もちろん私もこの国で生活する人間の一人として、何かを背負ってしまったのだと思う。
願わくば、始まってしまったこの大会が一人の死傷者を出すことなく、無事に終えられることを祈るばかり。
主役の主観の君とぼく。
連休初日に映画を観に行ってきました。細田守監督作品の『竜とそばかすの姫』
細田作品は嫌いじゃないけど、前作の『未来のミライ』は、ちょっとよくわからなくて、自分は対象じゃないのかと思っていた。でも、最新作だし、気になるから観に行った。
車で15分もかからない近場の映画館は、夏休みが始まったばかりだから、子連れでいっぱいだった。この映画館には、何度か来ているけど、こんなに混んでるのは初めてなんじゃないかと思う。入場時間になると、行列まで出来ていて、さすが最新作は人気ですねって思ってたら、ほとんど鬼滅の刃を観に来てる人だった。どうやら、新しノベルティ配布の開始日だったみたい。
その映画館で一番大きいスクリーンでの上映だったけれど、人はそこそこだった。
ネタバレするので、折ります。
続きを読む喪わない瞬間の連続を今と呼びたい。
仕事中にTwitterのタイムラインをチェックしていることについては、気にしないで頂きたいけれど、とにかく第一報は、Twitterから知った。
自分のタイムラインが、あらゆるネットニュースとそれのリツイートとお祝いコメントで埋められていく。少し遡ると、ヤフーニュースよりも先に公式アカウントがメッセージを呟いていたことに、少しだけ救われた。
正直、全然ディープなファンじゃない。
ラジオは、オールナイトニッポンからしか聞いてないし、ライブも一度しか行ったことない。CDも1枚しか持っていないし、ダウンロード版ですら持っているのは3曲ぐらいだったと思う。イヤーブックは今年初めて買った。それも、どちらかというと対談の相手目当てだった。それでも、第一報が入った時に、まだイヤーブックが届いていなくて、限定サイトのメッセージを読めないことが悔しかった。
タイムラインに流れているコメントのように、嬉しい!とは、とても思えなかった。
ああ、そっかぁ。そりゃ、そういうこともあるよね。おめでたいことだよね。
そんな感じ。
腸ぶちまける気持ちで言えば、CPで激推しされてる人達が結婚まで行き着くとか、出来過ぎじゃない?とか思ってました。ごめんなさい。
ツーショット写真に困らないCPなんだから、お似合いに見えて当然じゃない?
でも、私達が知っているのはあくまで、ドラマの主人公達であって、その中の人たちのことまで知るわけない。
他の方も、ナマモノの扱いの難しさについて、言及なされていて、自分も妄想だけならいくらでも出来るけれど、堂々とあなた方を性的に消費しますとは、言えないし、それに類似するような事を言っている人を見かけると、よく言えるなと思ってしまう。
脳髄巻き散らかす気持ちで言えば、共演した相手役と付き合うとか、役者として切り替え出来なさすぎじゃない、と思ったし、端的に言えば、妬ましかった。少なくとも、二人が同じ空間にいられるから、仕事もプライベートも切り替えとかじゃなくて、フィジカル的に存在を感じられるから、付き合うとか結婚とか具体的なことになるんだと思うから。
世界中に何万人もいるフォロワーを表す数値の一つ。東京ドームで動員した何万席を埋めるピース。認知されるわけない。蠢く影のように思われるものの一端ですらない自分が、何かを感じたり、言葉にする必要なんてないのは、分かっている。関係ないもの。
ただ、ニュースを聞いてから、頭の中で、曲が流れた。新曲も、古い曲も、何かを示唆しているように思えた。そんなわけない。そんなミュージシャンじゃない。
新曲は、ラブソングだから、彼女のことを想って書いたとか言われるんだろうなと思ったら、たまらない気持ちになった。そんなわけない。ドラマのタイアップで、プロデューサーさんと打ち合わせして、プロとしての仕事が、そんなプライベートの道具だったとしても、表立って言うわけない。夢ぐらい、見させてくれ。
ああ、そうだ。夢を壊された気分になったんだ。舞台を見ていたはずなのに、急に素に戻ったところを見せられたような、混乱。役を降りた役者が、カーテンコールをしている時も、私はそれを素だとは思えない。
ラジオを素だと思ってしまうのは、なんでだろう。ラジオで話していることは全部本当だって、疑いようもなく思っている。それも、ほんの一欠けらのことなのに、すべて教えてもらえたような、少しだけ近づけたような、そんな錯覚をしてしまう。
それが錯覚なんだと、はっきりとわかったのは、第一報が、ラジオじゃなかったからだ。
いっそ、インタビューにもまともに応じない、事実としての創作しかないような人だったら。
沢山の人が、おめでたい二人の事実を教えてくれる。
今年のイヤーブックの対談相手のラジオも、テレビとは違う顔を見せてくれているようで、大好きなんだけれど、今回の事実に関しては、連絡を取り合ったということしか、話してくれなかった。メールの内容も、電話の内容も相手の発言については、ひとっつも話さなかった。
こういうのを、真実っていうんじゃないのかなって、思ってしまって、もっと大好きになった。
ラジオもエッセイもやらない、最推しに同じようなことが起こった時、どうなってしまうのか、想像もつかない。以前に熱愛報道が出た時には、相手の年齢を考えて、しっかりショックを受けたし、当然のように嫉妬した。祝福なんて、微塵も出来なかった。
でも、私が観るのはいつだって、創作としての最推しだから、いつの間にか、忘れてしまうんだ。創作じゃなく、カメラを通した時も、それは、変わらない。カメラの前に、プロとして立っているのに、素を見せるわけがないし、そう思わせてくれるから、大好きなんだ。
ラジオもエッセイもやって、自分の中から溢れ出る何かを音や言葉に変えてしまうミュージシャンなら、何かしらの変化を嗅ぎ取ってしまおうとしてしまう自分の浅ましさが恥ずかしい。
報道の3日ぐらい後にイヤーブックが届いて、数日放置していたけれど、対談だけでも読もうと開いた。
途中に載っていた10年前の写真があり、創作としての彼の顔が、10年で驚くほど変わっていた。プロとして、観られる側の人間として、彼の気持ちや体が変わっていったことが、よくわかった。
対談内容は、お互いの印象とか仕事に関してとか、わりと表面的なところだったけれど、お互いに、似てるところがあると思うんだろうな、と思った。
それは、さらに数日後に行われた、対談相手のユニット漫才イベントを観て、実感した。
彼らは、常に『今』を生きていて、戸惑いながらも変化して、その過程まるごと、私達に見せてくれる。変わったとか、変わりたいとか、今は違うとか、ちゃんと言葉にしてくれる。それでいいんだと、迷う姿を見せてくれる。
その、圧倒的リアルに、涙が溢れた。
本当は、そこまで見せるつもりなかったんじゃないかと、邪推してしまう。
ただ、溢れた。
芸事って、お笑いって、こんなに自分を切り刻んで生み出すものだっけ?
こんなこと出来る芸人って、どれだけいるんだろう。
技術を伴って、自分を全部曝け出すのは、舞台に立つ人の共通項なのか。
最後にサプライズ出演した若いミュージシャンは、まさしく今の、自分を曝け出す音楽をしていて、それを聴いている表情が最高に優しくて、12年の道が見える気がした。
「頼むな。」という言葉は、今だから言えるんだろう。
好きな人が増えるのは楽しい。でも、遠さに目が眩む。
届かなさに安心したりする。
受け取るだけの自分を恥じたりもする。
同じ空の下にいるのに、繋がれないもどかしさと、そうであるべきだと思う理性。
好きだと、臆面もなく、なんの照れも、衒いもなく言える嬉しさ。不埒さ。
夢に出てきただけで、満足してしまう。歌詞や台詞がリフレインする。
私は理解できていると思う。思いたい。想像は自由で、残酷で、傲慢。
SNSも同じ空の下にいるのと、意味は変わらないのに、距離感がバグる。
伝えたいけれど、伝わらない。
一端を観る。一欠けらを掬い上げる。それをさせてもらっている。
曝け出しているのなら、歓声の一音に、拍手の波の一打に、いいねの数の1つに。
愛されてる、求められていると思える自信の一粒になりたい。
幸せを、願わないわけない。成功を、祈らないわけない。
大好きだよ、これからも。応援するよ、 当たり前じゃん。
推しの動向に動揺していた自分の自戒を込めて。ごめん、キモイね。
空飛ぶウミガメの中で。
COVID-19が広まって良かったことなんて何もないと思うけれど、新しい生活様式とやらを強要されてから、変わらざるを得なかったことは、沢山あると思う。
企業努力という名の苦肉の策を対価を払って甘受することで、企業を助けているような気分にはなれるけれど、以前のような対価の支払い方をした方がいいに決まっている。
ANAがエアバス社から買った機体は2階建てで、ハワイ便専用機として、外装をウミガメに模したものにし、名前もハワイ語のウミガメを表すHONU(ホヌ)とした。
青いウミガメの1号機は、ラニ(空)、緑の2号機はカイ(海)、そしてオレンジ色の3号機はレイ(花)とそれぞれ名づけられ、成田、ホノルル間をたくさんのお客様を乗せて幾度となく行き来する、予定だった。
詳しくは知らないけれど、たしか、初号機は何度かハワイ便として運航し始めていたと思う。
2号機も日本にいるけれど、3号機はANAに受け渡しすらできていないらしい。
そして、よく知らないけれど、飛行機というのは、長い期間格納庫などに置いておくこともできないらしい。ある程度動かさないと、余計な点検が増えて、むしろコストがかかるらしい。
燃料費と点検コストを天秤にかけた結果、テスト運航という名目で飛行機を飛ばす機会はあるらしい。
どうせ、飛ばすなら、お客を乗せてしまえ、という発想に、この度乗ってきました。
そもそも、新しい機体の就航を夫は大いに喜び、初号機が日本に来た時には、わざわざ成田空港まで観に行った。遠くに見える青いウミガメを見られて、それなりに満足もしていた。
しかし、実際に乗ろうと思うと、現実的ではなかった。ハワイに行かなければいけないし、しかも、成田から乗らなければいけない。ハワイに行くような時間もお金もない。
多分、乗る機会なんて、来ないだろうと思っていた。
けれど、このご時世で、ハワイに行けないウミガメさんは、国内を遊覧飛行するという、本来ならあり得ない飛び方をするという。さらに、その出発地点に、地元の空港が使われるというのだ。
たまたまネットでその企画を知った私は、すぐさま夫に伝えた。
企画の存在は知っていても、地元開催までは知らなかったようで、大いに喜び、またとない機会なのでぜひ、参加したいと言われた。
ここで問題となるのは、参加は抽選で決まるということ。さらに、座席のエリアが細かく分かれ、それぞれ金額が異なるが、2日間の開催で、応募できるのはそれぞれ一人1席分のみ。ということ。どの席を申し込むか、とても悩み、結局、プレミアムエコノミークラスの窓際と、エコノミークラスの通路側という、当選確率が高そうな席と、比較的低そうな席をそれぞれ申し込んだ。
結果、エコノミークラスの通路側の席が当選した。作戦勝ちというやつだ。
もちろん、できることなら窓際が良かったけれど、夫に言わせれば、乗れる機会を得られただけで、私たちにとっては奇跡のようなものらしいので、文句はない。
当日、車で30分もかからない地元の空港に行くと、ANAのカウンターにスタッフがずらりと並んでいた。チェックイン開始のアナウンスと共に一斉に一礼する姿に、胸が高鳴った。チケットを受け取ったけれど、まだ搭乗には時間があるので、展望デッキに上がり、これから乗る機体を観に行った。成田で見た時よりも、もっとずっと近くで、Flying Honuのラニの顔を見ることができた。二階建てのエアバスの機体は、とても大きく、翼が少し湾曲してるように見えて、本当に海中で泳ぐウミガメのひれのようにも見えた。
Flying Honuの拠点は成田空港なので、そもそもセントレア空港にいること事態があり得ない。展望デッキには、その珍しい光景をカメラに収めようとする航空ファンが朝から展望デッキのフェンスに張り付ていた。カメラを構える人達を見ていると、私たちは今から、この機体に乗るのだという優越感があった。正直、たかだか数時間の遊覧飛行にしては、費用が高すぎると思っていたが、こんなに乗りたいという人がいるのだから、それを払うだけの価値があるものだと思えた。
展望デッキを離れ、空港内のカフェで朝食を食べても、搭乗時間にはまだ早い。けれど、朝早いのと、空港利用者の激減で閉店してしまったお店も多く、やることがない。
搭乗ロビーにあるANAのショップに行きたいという夫の希望もあり、早々に手荷物検査場を通り、搭乗ロビーへ行った。
地方空港のANAショップは、羽田や成田とは比べ物にならない規模だったけれど、ANAファンの夫は、ロゴの入ったハンカチを欲しがった。ついでに、二人分のお土産が少々嵩張るので、ANAオリジナルのショップバックも購入した。
期待とお土産を手に、搭乗口に行くと、まだ人はほとんど集まっていない。
ゲートの側に座り、だんだんと集まってくる人を眺めていた。家族連れから、一人での参加、子供から高齢者まで、幅広い人たちが、Flying Honuに乗ろうと集まってくるのが、なんだか楽しかった。少しおしゃれをしていたり、ANAのグッズを身に着けていたり、それぞれに、この遊覧飛行を楽しみにしていたことが伝わってくる。
今回の搭乗では、ブリッジは使わず、バスで機体の側に行き、ステップを上がって機体に乗り込む。夫曰く、ブリッジを使うと空港に対してANAに使用料が発生するので、コストダウンの為だと思ったが、実際にバスに乗っていくと、Flying Honuを間近で見ることができ、機体の前での写真撮影もしてもらえたので、サービスの意味合いも大きかったのだと思う。
ステップの横に目をやると、機長が手を振っていた。
ワクワクしながら、ステップをあがると、数人のCAさんが出迎えてくれた。入口付近はスペースが大きめに取られ、座席の手前には2階に上がる階段が伸びていた。残念ながら今回座るのは、2階ではなく1階なので、階段の横をすり抜けて、席に座った。
通路側なので、窓の外は人の頭ごしにしか見えない。けれど、座席の背面についている画面から、機体の外についているカメラの画像が見れるので、外の様子をよく見ることが出来た。とくに前方についているカメラの映像はとても綺麗で、機体の前に立っている警備の人の顔もわかるぐらいだった。
安全に関する注意事項が映像で流れるのは、もはや定番だが、この機体では独自に作られたFlying Honuの着ぐるみがハワイの名所で、安全に関する注意を促す映像が流された。なかなかシュールで、とても可愛らしい。この機体に乗らなければ見られない映像だった。実際にハワイに行くために乗る人たちにも気分がでて楽しめると思う。
しばらくすると、飛行機が動き出した。便数が多い時は、すぐに滑走路に入れず、待機することが多いらしいが、今回はすぐに飛び立った。
速度を上げていくのを感じると、ジェットコースターに乗っている気分になるし、機体が浮かび上がるのを感じる時は、少しだけ恐怖を感じる。理屈は分かっているつもりだけれど、こんなに重い機体が浮かび上がるのが、いつも信じられなくて、心配になるのだ。
ベルトサインが消え、画面を前方から機体下のカメラの映像に切り替えると、陸地に機体の影が映っているのが見えた。他の機種では、こんな映像を見ることはできない。
通路側の座席で、窓の外を見なくても、今、飛んでいるんだという実感が持てた。
他にも画面では、飛行ルートを確認できたり、飛行機好きには嬉しい機能が色々あった。移動手段以外の目的で飛行機に乗ったのは初めてなので、新しい機体に乗る楽しさとうものもあるのだと知れた。
さて、遊覧飛行のお楽しみ、機内食サービスの時間がきた。エコノミークラスの食事なので、あまり期待していなかったのだけれど、なんだか豪華なメニューで、ビジネスクラスと大差がないように思えた。食器もプラスチックではなく、カトラリーもしっかりしていた。飲み物には、ハワイ便だけのメニューである、モヒートを選んだ。ラムの風味と爽やかなミントの香りで、美味しかった。料理も、どれも美味しく、前菜からデザートまで、十分楽しむことができた。
満腹になり、食後にコーヒーを頂きながら、時々外を眺めたり、画面の風景を楽しんだりして過ごしていると、ANAのツアーデスク主催のお楽しみ抽選会が始まった。
座席ごとに当選が決まる抽選くじで、当選者には、ANAグッズやカタログギフトなどが当たるという。同じ列の、窓際の席の方に3等が当たり、羨ましく思っていると、なんと夫に1等が当たった。遊覧飛行に当選するだけでも幸運なのに、抽選会で景品までもらえるなんて、夫はなんて運がいいのだろう。
そういえば、数年前にかんぽ生命のキャンペーンで当選して友達と一緒に宝塚歌劇団の公演を観に行ったら、SS席を引き当て、さらに友達に主演女優のサインが当たったことがあった。私の同行者が幸運な人が多いな。
CAさんや周りの方に拍手をいただき、ありがたく、当選した旅行券を頂いた。本当に参加してよかった。
降下を始めるまでの時間、機内を少し歩きまわってみた。エコノミークラスの席は、ギャレーごとに3か所に仕切られていて、それぞれ壁に空や海が描かれている。本当に、ハワイに行くための飛行機なのだ。ドアの窓から外をみると下の方に雲が浮かんでいる。移動のためでなければ、こんな風に無遠慮に機内をうろついたり出来なかったと思う。私たち以外のお客さんも機内を歩いたり、CAさんと記念撮影をしたりしていた。
席に戻り、しばらくすると、ベルトサインが付き、飛行機は高度を下げていく。風が強いのか、時々ガタガタと揺れた。画面を前方カメラに切り替えると、どんどん陸地が近づいてくる。滑走路が見えてくる。風が強いので、滑走路に対して、少し機体を斜めに向けて降りようとしているのがよくわかった。
ドンという衝撃とともに、浮遊感は消え、陸地へと戻ってきた。
あっという間に、遊覧飛行は終わってしまった。
到着すると、画面が勝手に切り替わり、またFlying Honuの着ぐるみ達が登場した。インスタの画面の中で、ハワイの名所を回っている。ここが本当にハワイだったら、ここに行こうとか話しながら、機内を出る順番を待つのだろう。
ドアが開き、またステップを降りて、Flying Honuとお別れした。振り向くと、また機長が手を振ってくれている。とても、名残惜しい。
到着ゲートを出て、日常に戻ると、数時間とはいえ、本当に旅行したような気持になりました。
思い切って応募してよかったです。
早く、本当に旅行できる日が来ることを心待ちにしてます。
その時に、本当にハワイに行けるかどうかは、別問題だけれど。
本来なら、ハワイと成田を往復するだけの、Flying Honuに乗れたのは、私たちにとっては、とても幸運だけれど、ANAにとっては、苦肉の策だったことを、忘れてはいけないなと思う。この苦しい時期を、気持ちだけで乗り切ることなど到底できるわけはなく、日々積み重なるコストという名の現実に少しでも立ち向かう企業を助けたようで、ただ、楽しませてもらえただけ。本当にありがたいことです。
COVID-19には、感謝なんかしない。